2013年2月27日水曜日

スーリヤ校女性教師たち・訪問クリニックの見学(2013年2月7日)



2月7日、スーリヤ校女性教師達と、ブッダガヤのNGOルート・インスティテュートが運営している訪問クリニックの見学に行って来ました。

今回訪問した村は、ブッダガヤから車で約1時間の、ビハール州とジャルカンド州の境目に近い村です。

NGO運営者であり、西洋医学の医師でもあるサンジャイ先生も同行してくださいました。

訪問クリニックの活動は、約20年しておられます。

医療チームは、西洋医学とホメオパティック医学の両方を使っています。

看護師や薬剤師も同行します。

村へ到着し、最初にサンジャイ先生が教師たちに、この活動の目的についてお話をしてくださいました。

「自分達が勝手に村に行って医療活動をしようとしても、村人に理解がないと難しい。村人から要請が来て、ぜひ来て欲しいという村は、リラックスした協力関係が築きやすい。私達が目指す健康な状態とは、肉体的な健康だけを言うのではなく、精神的に、そして、社会的にも健康な状態を目指しています。特に多い問題は、村の女性達の健康問題です。これを改善するのは、一筋縄では行かない。教育レベルや迷信や昔ながらの習慣など、様々な要因が複雑に関係している。しかし、村人全体の意識が向上すれば、少しずつ少しずつ改善されて行くでしょう。」とおっしゃいました。

そして、医師や薬剤師達がクリニックの準備をしている間、ある程度村人が集まって来ると、NGOのスタッフと村のソーシャルワーカーが、健康についての説明をします。

今回のテーマは「結核」でした。

インドの村では、まだまだ結核患者が多いのです。

村のソーシャルワーカーは、村人の中から選ばれています。ある程度教養があり、本気で人々のために頑張れる人が選ばれます。

ソーシャルワーカーが、地元の言葉で病気について説明します。

それを横でNGOスタッフがじっと聞いていて、途中で補足を入れます。

訪問クリニックのチームは週に一回程度村を訪問しますが、毎日、村人たちと接するのは村のソーシャルワーカーです。

NGOスタッフは自分で全部説明せず、村のソーシャルワーカーに発表させます。

練習にもなるし、どれだけ知識が身についているか知ることも出来ます。

<結核についての説明>
・30日以上咳が止まらない場合、結核にかかった可能性がある。
・痰に血が混じっている。
・熱が出る。
・結核患者から出た痰は、壷などに吐き、蓋をしておき、溜まったら土に埋めるか、煮沸消毒をして破棄する。
・結核患者の食べ残しを食べない。
・結核患者が咳をしながら読んだ本は燃やして破棄する。
・結核は感染する病気。
・結核治療のための薬は、毎日継続して飲むこと。
・症状がよくなっても、医師が飲まなくてよいと言うまで飲み続けること。
・3ヶ月継続して薬を飲み、その後検査を受ける。そして、菌がまだ残っていれば、さらに3ヶ月薬が処方される。きちんと薬を飲んでいれば、普通、9ヶ月以内に完治する。
・ビハール州政府は結核治療の薬を無料で提供している。

NGOスタッフは、「私達はただ薬を配るためだけに来ているのではありません。あなた方に病気についての知識を持ってもらい、自分達で病気を予防出来るようになって欲しいのです。これは医療チームだけの仕事、産婆だけの仕事ではありません。理解力のある市民、自分の責任を果たす市民、あなた方市民が、みんなで考え、みんなのために考えることが必要です。」と、村人たちに説明しました。

その後、医師の診察と薬の配布が始まりました。(つづく)

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