2013年4月18日木曜日

スーパー30(IIT受験塾特待生)試験、奨学生に4名合格!

4月17日、今日、スーリヤ校教師たちから報告を受けました。

パトナのIIT受験塾の特待生スーパー30選抜試験の最終結果が出たのです。

なんと!スーリヤ校卒業生4名が、成績上位者286名の中に入りました!

学費全額免除のスーパー30の枠には入れませんでしたが、この4名は受験塾への入学許可と共に、部分的に奨学金を授与される資格を得ました!

他に5名が奨学生の対象は外れたものの、入学資格を得ました!

この試験はビハール州全土から2万5千名の学生が受験し、その中には超優秀私立校の生徒も大勢受験しました。その中で成績上位者286名の中に4名が入ったということは、ものすごいことです!

特に高得点を取った生徒は、意外な生徒でした。

彼らは私が家庭訪問に行くと、いつも畑に行っていて、農作業をしていました。

母親が病気で亡くなった子。いつも母親が病気で寝込んでいて、母親の代わりに男の子だけれど料理をして弟妹を育てている子。どの子も生きていくぎりぎりの生活の中で、学校の給食で栄養を取っていました。

彼らは貧困から抜け出すために、家族を幸せにするために、未来を見つめて、こつこつ、こつこつと勉強を積み重ねて来ました。

私はこの素晴らしい報告を受けて、涙が止まりません。

彼らは、2年後、IIT(インド工科大学)合格を目指して、エンジニアリングの試験を受けます。

パトナの受験塾に入学すれば、優秀な講師陣が講義をするので、まじめな彼らは必ず成功するでしょう。

将来、エンジニアになって、いいお給料をもらって、家族においしいものをいっぱい食べさせてあげようね!

彼らの努力に敬服すると共に、これからの進学を全面的に支援することを決意しました。




2013年4月17日水曜日

裁縫教室コース・スタート!(職業訓練プロジェクト)

4月16日、スーリヤ・バハルティ・スクールにて、裁縫教室の六ヶ月コースをスタートしました。

これまでも、スーリヤ校などで、村の女性たちに裁縫を教えてきましたが、人数もばらばらで時間もばらばらでした。

裁縫の担当の教師やアシスタントスタッフたちと話し合った結果、裁縫教室として、六ヶ月のコースを開き、コース修了者には修了証書を渡そう、ということになったのです。

裁縫教室の場所として予定していたのは、スーリヤ校の前の校舎、隣の村の現在の公民館でした。ところが、先月、ある問題が起こったのです。

いつものように母子健康教室を開催し、その際、以前数名から裁縫教室の要望があったので、受講者を募集したところ、村の政治家タイプの女性が先導して、「裁縫教室は開かせない!裁縫教室を開くよりも、孫をスーリヤ校に入学させろ!」と集団でおしかけてきたのです。

私はその日、別件がありその場にいませんでしたが、母子保健プロジェクトと裁縫教室を手伝ってくれている教師たちから、後でその様子を聞きました。

その女性はなんと棒まで振り回していたとか!「孫を入学させないと棒で叩く!」と叫んでいたそうです。

レイカ先生は機転を利かせて、「私たちは裁縫と母子保健プロジェクトのスタッフです。スーリヤ校の入学に関しては関係ありません。受け入れられる生徒数は限られています。あなたの孫を入学させてあげる代わりに、今現在、兄弟数名が通っているなら一人だけにして、他の子は辞めさせましょうか?」と言ったところ、その女性はひるんだそうです。

この事件(?)を聞いて、裁縫教室の場所を、村の公民館から、スーリヤ校内に変更したのでした。

六ヶ月のコースは、40名限定です。一部と二部に分かれ、20名ずつ教えます。今日はコースを受講する村の女性たちが約40名集まりました。受講者の中には、スーリヤ校の卒業生もいます。去年の卒業生や数年前に退学して母親になっている卒業生もいます。

彼女たちを見ていると、2001年に開校したときのことが蘇ってきました。体は大きくなっても、無邪気さは変わりません。彼女たちの笑顔に囲まれ、時間が戻ったような錯覚を覚えました。











2013年4月13日土曜日

日本語特別教室「ドラえもん」

4月13日、日本語特別教室を開催しました。今日のテーマは「ドラえもん」です。

ドラえもんのサイトのコミックのページを使って学習しました。

最初にまずパソコンをネットにつないでそのページを開きました。

一コマ一コマをクリックすると、そのシーンを表現する音が鳴ります。

最初にヒンディ語で一コマずつ説明しました。

その後、印刷したプリントを使って細かい台詞の意味を解説しました。

本当は、日本語検定2級のための単語の解説もしたかったのですが、真昼間の43度の気温の中、長時間はつらいだろうと、(生徒たちよりも自分がしんどいかも知れませんが、、、)今日はドラえもんだけにしました。

村に何軒かテレビを持つ家があり、だいたいみんなドラえもんを見たことがあると言っていました。話の内容も、わかりやすい内容でよく理解出来たと思います。

ただ、台詞は人物によって話し方が違うので、これは女の子、これは男の子、とそれぞれ説明しました。

今日も私が質問をすると、プラカッシュ先生が元気よく真っ先に手をあげて答えてくれるので、「先生はプロですから、生徒たちに答えてもらいましょう」と言うと、「はっ」と両手で口を押さえて、「そうだ、自分は教師だったんだ、、、」という顔をされたので、面白かったです。

暑い中、みんな、お疲れ様~!

そして、授業が終わったとき、S君が「両親を説得しました。結婚はキャンセルします。」と言ってきました。

昨日(前ブログをご参照ください)、両親と話をして、私はもうすっかりS君の結婚は断れないものだとばかり思い、あきらめていました。

S君は、昨夜、両親と、仲人の親戚とを、必死で説得したそうです。

まだ、持参金や引き出物のパソコンなどを先方に返すまでは、はっきりとしたキャンセルにはなりませんが、先方は事情を理解して受け取りに来てくれるそうです。

私は結婚式に出ないといけないな~、とまで思ってました、、、!

S君は、すっきりした顔つきで、勉強に集中する覚悟を決めた様子でした。

食事を作るお嫁さんが来るまで、お母さんには面倒をかけるけど、後数年しっかり勉強して、いい職について、両親を楽にしてあげようね!彼の決意を無駄にしないよう、私も一生懸命彼の進学を支援します!エンジニア目指して頑張れ~!






S君の結婚について

すごく勉強熱心で将来を期待していたS君。先日、両親が結婚をさせようとしているとS君から相談を受けました。

今日はS君の両親を説得するため、教師3名と、S君の自宅を訪問しました。ところが、両親共不在の様子。近所の人たちとS君の結婚の話になりました。ご近所さんたちがおっしゃるには、この両親を説得するのは無理だ、ということでした。

自分自身の考えとしては、結婚するのなら、進学支援を打ち切ろうと思っています。
結婚するということはお嫁さんの生活の面倒を見る、ということであり、その責任が生じます。S君のことは期待していたから残念だしつらいけれど、けじめはつけないといけません。

両親がなかなか帰って来ないので、両親を探してバザール(店が多い場所)に行きました。すると、S君の両親は結婚式の準備の買い物をしていました。(ヤギを売って、お金に換えたそうです。)

S君のお母さんは、「結婚式に来てください。私は年を取っていつ死ぬかわからないけど、嫁が来たら安心です。毎日、料理をするのが大変だった。これからは嫁が料理をしてくれる。」と言います。

「結婚したら、嫁が家にいて私たちの面倒を見てくれるから、Sをどこにでも連れて行って思う存分勉強させてください。」と泣きながら話します。

私は思い切って、自分の考えを伝えました。「結婚するということは、その分、稼がないといけないということ。勉強よりも、そちらのほうが大事。結婚するなら、就職して、家族を食べさせて、残ったお金を学費にすればいい。結婚するなら進学の支援は打ち切ります。その代わり、就職してもらいます。」と。

すると、お母さんは驚いた様子で、まさか、支援を打ち切られるとは思っていなかったようで、もっと泣き始めました。

「S君、本人の気持ちはどうなの?」と聞くと、「自分は結婚したくない。もっと勉強したい。だけど、親が聞いてくれない。」と言います。

確かに、S君はだいぶ年を取ってから出来た子供で、ご両親は高齢です。本当に体調も悪そうで、なんだか、しょうがないかな、という気がしてきます。

「相手は何歳?S君は相手のこと気に入ったの?」と質問すると、「わからない。まだ会ったこともない。写真もない。」ということでした。

しかし、もう結婚の約束によってお嫁さん側からノートパソコンをプレゼントされていました。S君はノートパソコンの誘惑に勝てなかったようです。ノートパソコンが手に入れば、もっと勉強出来る、と思っていたようです。友人たちとの会話などを聞いていると、S君はうれしそうな様子です。

S君は推定18歳。日本では結婚出来る年齢ですが、インドの法律では男子は21歳以上でないと結婚出来ません。

田舎の習慣はいつになったら無くなるのでしょうか、、、。

S君の結婚式は来月です。





2013年4月12日金曜日

エンジニアリング・コースを目指す学生のための進路説明会

4月12日、スーリヤ校卒業生たち16名と教師5名と一緒にバハラット大学(http://www.bharathuniv.com/)の進路説明会に参加しました。
ガヤのホールで開催されました。

バハラット大学は93%の就職率だそうで、マイクロソフトやオラクルなど有名企業への就職もあるそうです。

今回は進路説明会の共同開催者であるヒンドゥスタン新聞からご招待いただきました。

「エンジニアリング・コースを目指す学生のための進路説明会」ということでしたが、開催者である大学の宣伝だろうと思いつつ、教授らの話を聞いていると、進路を選択するときに何に注目して選択するべきかなど、ただの宣伝でなく話の中身もとても勉強になるものでした。

3名の教授はIIT卒業生でした。

・エンジニアを目指すなら、エンジニアとは何か、エンジニアの種類を知るべき。
・IITだけがすべてではない。私立大学のエンジニアリングコースからも優秀な学生が外国企業などに就職している。
・大学を選ぶ時は、就職率を調べなさい。
・いい給料をもらいたいなら、民間企業へ就職しなさい。しかし、民間企業は残業があり夜中まで仕事をしなくてはならない。決まった時間だけ仕事をしたいなら、公務員を目指すほうがよい。
・自分の興味のあるものを見つけなさい。その方向へ進路を考えなさい。Iフォンやスマートフォンを使うのが好きなら、そのアプリの開発など。
・競争の中から外へ出て、自分独自の道を探してもよい。
・コンピュータ・サイエンスは将来有望だが、その中で傑出した人間になるための努力が必要。
・企業に就職することだけが選択肢ではない。フェイスブックやマイクロソフトの例え。
・企業側がスカウトをしに大学へ来る。そのときによいパフォーマンスを見せれば就職が決まる。外資系企業も来る。http://www.bharathuniv.com/placements.htm

日系企業への就職もありますか、と質問したら、日産などの例をあげられました。

スーリヤ校の生徒は村の子供達です。今日の感想を聞いたら、だいたいはわかった、と言っていましたが、私が感じたのは、言葉としてはわかっていても、具体的なイメージは持てていないのではないかと感じました。エンジニアを目指す生徒たちですが、実際、エンジニアとはどういう職業か詳しくは理解出来ていないと思います。ぼんやりとしたイメージはあるかも知れませんが、もっと、実際の仕事の内容を教えたいなと思いました。そして、明確な進路のイメージが持てるように、指導していきたいと思いました。
















パトナでスーパー30(IIT受験塾特待生)の試験を受験


4月8日、今日はこの4月に卒業した生徒たちの中で、スーパー30(IIT受験塾特待生)の試験の一次試験に受かった生徒たちが、二次試験を受けにパトナへ行きました。

私は今日は別件で忙しく、同行できなくて残念でした。

結果はどうなるかわかりませんが、ここまで彼らが試験を合格してきたことだけでも奇跡です!

もしスーパー30に合格すれば、宿泊も食事も授業料も免除で、思いっきり勉強させてもらえます。

IITは、インド工科大学のことで、インドの中でも難関の大学で、エンジニアリングの試験でトップの成績でないと入れない大学です。最近は提携大学が増え、枠は以前に比べると増えましたが、それでも、IITデリーやIITカンプールに入れるのは、ごく一握りの超優秀な学生です。

将来IIT合格を目指す、貧しくて優秀な学生を対象にしたのが、スーパー30です。

スーパー30には2種類あり、スーリヤ校生徒たちが受験しているのは、アビヤナンド氏の設立したほうです。

カースト制度が根強く残るインドでは、就職の際にカーストが問題になることがありますが、エンジニアという職業は新しい職業で、どのカーストも関係なく、実力で勝負できる職業です。

生徒たちにもぜひ頑張って勉強して、エンジニアになる子が出てほしいなと、応援しています!

2013年4月5日金曜日

日本語特別授業(国語)

3月9日、日本語特別授業では国語の時間として、「手袋を買いに」というお話をテーマに学習しました。もちろん、このお話に出てくる漢字すべてをいきなり覚えるのは、かなり難しいことです。今回の授業では、狐の親子のストーリーをイメージし、基本的な言葉や日本語の音声に慣れて行こうというのが主旨です。話の流れを先に説明してから、一つ一つの文章の解説に入りました。最後に、お話の中で出てきた言葉のおさらいを、黒板に絵に描きながら確認しました。無料で配布されている読み聞かせのデータがあったので、ダウンロードして学校のパソコンにコピーしました。興味のある生徒は何回も聞きたいと言っていました。出来るだけ生徒たちが日本語に触れる機会を増やしたいと思っています。