2013年2月27日水曜日

母子保健プロジェクト・健康教室(2013年2月25日)

2月25日、村で母子保健プロジェクトの健康教室を開催しました。

今回から、村の公民館(元はスーリヤ校が引っ越す前に使っていた校舎)の一室を使い、外でみんなに待ってもらい、お母さんと赤ちゃんを順番に部屋に呼んで、細かいヒアリングが出来るようにしました。

これまでは廊下で、全員の前で呼び出して体重を量ったり、血圧を測ったりしていたので、お母さん達は個人的な悩みなどを話すのを恥ずかしがっていたのです。

部屋を使っても、やっぱりいっぱい集まって来て、いつの間にかぎゅうぎゅうの状態になるので、途中、何度もレイカ先生の激が飛び、怒られた子供達が「わあ~!!!」と逃げました。

この日、元生徒が二人来ていました。

一人は成績がトップだった優秀な生徒で、すごく将来に期待していた生徒でした。ところが、13歳になったときに、親が無理やり結婚させ、何度も死産を経験し、現在彼女は二人の子供の母親になっています。

4歳と1歳の子供を連れて来ました。

子供の顔を見て、彼女(元生徒)が子供のころとよく似ていると思いました。

母親として、「この子をスーリヤ校に入学させてください。」と御願いに来たのでした。

赤ちゃんたちの体重や身長を測りながら、お母さんや赤ちゃんの様子を話しながら見ます。

月齢と体重や発育の仕方などを見て、これは、と思ったらクリニックに行くのを薦めます。

そして、訪問するときに訪問しやすいように、一人一人、家の場所を聞いて、マッピングをしました。

赤ちゃんたちの体重測定が終わったら、次は妊婦さんたちの血圧を測ります。

その中に、元生徒がいました。(先ほどの子とはまた別です)

血圧を測りながら、レイカ先生がいろいろ質問しました。

最初の子は妊娠4ヶ月の時に死産だったそうです。そして、今回2回目の妊娠です。

私はこの子のお姉ちゃんが早く結婚させられてびっくりしていましたが、そういえばこの子も最近学校で見かけていないなと思っていたところ、結婚していたのです。

もちろん、親による強制結婚です。

急に身長が伸びた、と思っていたら、もう結婚。

インドの法律では、女性の18歳未満の結婚は違法です。しかし、まだまだ田舎の村では、昔ながらの習慣で幼児婚が続いています。

小さいころに一度目の結婚式(婚約)をして、生理が来るまで実家にいて、生理が始まったら嫁ぎ先に引き取られるケースが多いです。

結婚することは悪いことではないけれど、村の幼児婚の習慣は、本人の意思が無視されていることと、身体的な成長がまだ未発達のままいきなり妊娠するので、母体や赤ちゃんにかかる負担が大きいように思われます。

村人たちの意識を変えるのは大変です。

少しずつですが、このプロジェクトを通して、より幸せな生き方が出来るよう、お手伝いしていきたいと思います。














日本語特別授業(社会&漢字の部首)(2013年2月23日)


2月23日、スーリヤ校にて日本語特別授業をしました。

今回の授業は社会と漢字の部首について学習しました。

授業の最初に、校長先生がうれしいニュースを教えてくれました。

先日、スーリヤ校10年生が、IIT受験塾のスーパー30(優秀な選ばれた30名が無料で勉強出来る塾)の一次試験に、12名合格した、ということでした!

2次試験と面接がまだ控えていますが、一次試験にパスしただけでもすごいことです!!!

20名が受験して、そのうち12名が合格しました。

合格者の中には女子生徒4名も入っています。

そして、何よりうれしかったのは、これまであまり成績がよくなかった生徒が合格者に入っていたことです。

最近、一生懸命勉強するようになったとのことで、それを聞いて思わずウルっと来ました。

合格した生徒たちは一人一人私の足にタッチして、祝福を受ける挨拶をしてくれました。

10年生はこの3月にマイトリックレーションという試験を受けます。(大学入学のための試験です。)

ウルウルするのを必死で我慢して、さあ、授業です。

今回の授業から、日本語特別授業を受ける生徒を増やしました。

なぜ日本語を学ぶのか、将来にどう影響があるのか、日本語を学ぶことの大切さについて説明しました。

ぼやっとしたイメージだけでは興味本位だけの学習になるので、具体的で現実的な話をしました。

日本語を習得した場合の可能性について、日本への留学の可能性や、日系企業でエンジニアとして働くなど、
様々な職種の可能性について話しました。

そして、本題に入りました。

まず、漢字を覚えやすくなるように、部首の種類と意味について説明しました。

全部説明すると多すぎるので、よく使う部首をピックアップして説明しました。

部首を覚えておくと、複雑な漢字を理解しやすくなります。

そして、社会科の授業として、日本の地図について学習しました。

部首の説明で時間が少なくなったので、ほんのさわりだけになりました。

最後に聞き取り(ディクテーション)をしました。

私がゆっくり読む内容を聞き取り、ひらがなで書きました。

「黒板に書いてください!」と言うと、サンディープ君とニランジャン君が手を挙げました。

二人に文章の半分ずつ書いてもらいました。

書いている途中で、みんなが、「あ!それ違う!」と言うので、「し~!後で!」と言って黙らせました。

日本式に○と×で、間違った箇所を修正して、意味の確認をしました。

「勉強のコツは「志を持つ」「あせらない」「繰り返し勉強する」ことです」

さて、来週は何の授業にしましょうか。

日本語特別授業(理科)(2013年2月9日)


今日の日本語特別授業は理科がテーマです。

小学三年生の理科に出てくる日本語を勉強しました。

植物の作りと植物の種まきについて。

理科の授業さながら、図に描いて説明しました。

解説は英語とヒンディ語も使いますが、出来るだけ日本語をそのまま覚えて欲しいので何度も発音の練習をしました。

手作りの日本語授業です。

難しい漢字もあえて教えます。

授業の内容と関連付けてイメージとして覚えてもらいたいと考えています。

英語で説明すると、文の構造が行ったり来たりするのですが、ヒンディ語に訳すと、そのまま意味を当てはめるだけで済むので、
説明するほうも、説明を聞くほうも理解しやすいです。

さて、次回は何の授業をしましょうか。今度は「社会」かな?

インドの歴史がいいかも知れませんね。



スーリヤ校女性教師たち・訪問クリニックの見学(2013年2月7日)



2月7日、スーリヤ校女性教師達と、ブッダガヤのNGOルート・インスティテュートが運営している訪問クリニックの見学に行って来ました。

今回訪問した村は、ブッダガヤから車で約1時間の、ビハール州とジャルカンド州の境目に近い村です。

NGO運営者であり、西洋医学の医師でもあるサンジャイ先生も同行してくださいました。

訪問クリニックの活動は、約20年しておられます。

医療チームは、西洋医学とホメオパティック医学の両方を使っています。

看護師や薬剤師も同行します。

村へ到着し、最初にサンジャイ先生が教師たちに、この活動の目的についてお話をしてくださいました。

「自分達が勝手に村に行って医療活動をしようとしても、村人に理解がないと難しい。村人から要請が来て、ぜひ来て欲しいという村は、リラックスした協力関係が築きやすい。私達が目指す健康な状態とは、肉体的な健康だけを言うのではなく、精神的に、そして、社会的にも健康な状態を目指しています。特に多い問題は、村の女性達の健康問題です。これを改善するのは、一筋縄では行かない。教育レベルや迷信や昔ながらの習慣など、様々な要因が複雑に関係している。しかし、村人全体の意識が向上すれば、少しずつ少しずつ改善されて行くでしょう。」とおっしゃいました。

そして、医師や薬剤師達がクリニックの準備をしている間、ある程度村人が集まって来ると、NGOのスタッフと村のソーシャルワーカーが、健康についての説明をします。

今回のテーマは「結核」でした。

インドの村では、まだまだ結核患者が多いのです。

村のソーシャルワーカーは、村人の中から選ばれています。ある程度教養があり、本気で人々のために頑張れる人が選ばれます。

ソーシャルワーカーが、地元の言葉で病気について説明します。

それを横でNGOスタッフがじっと聞いていて、途中で補足を入れます。

訪問クリニックのチームは週に一回程度村を訪問しますが、毎日、村人たちと接するのは村のソーシャルワーカーです。

NGOスタッフは自分で全部説明せず、村のソーシャルワーカーに発表させます。

練習にもなるし、どれだけ知識が身についているか知ることも出来ます。

<結核についての説明>
・30日以上咳が止まらない場合、結核にかかった可能性がある。
・痰に血が混じっている。
・熱が出る。
・結核患者から出た痰は、壷などに吐き、蓋をしておき、溜まったら土に埋めるか、煮沸消毒をして破棄する。
・結核患者の食べ残しを食べない。
・結核患者が咳をしながら読んだ本は燃やして破棄する。
・結核は感染する病気。
・結核治療のための薬は、毎日継続して飲むこと。
・症状がよくなっても、医師が飲まなくてよいと言うまで飲み続けること。
・3ヶ月継続して薬を飲み、その後検査を受ける。そして、菌がまだ残っていれば、さらに3ヶ月薬が処方される。きちんと薬を飲んでいれば、普通、9ヶ月以内に完治する。
・ビハール州政府は結核治療の薬を無料で提供している。

NGOスタッフは、「私達はただ薬を配るためだけに来ているのではありません。あなた方に病気についての知識を持ってもらい、自分達で病気を予防出来るようになって欲しいのです。これは医療チームだけの仕事、産婆だけの仕事ではありません。理解力のある市民、自分の責任を果たす市民、あなた方市民が、みんなで考え、みんなのために考えることが必要です。」と、村人たちに説明しました。

その後、医師の診察と薬の配布が始まりました。(つづく)

母子保健プロジェクトについて村人たちとミーティング(2013年2月5日)

ユーチューブ・ビデオ<母子保健プロジェクトについて村人たちとミーティング>


2月5日、母子保健プロジェクトをしている村で、村長や村人たちとミーティングをしました。

総勢80名が参加されました。

プロジェクトについての説明をし、備品を置いたり、母子の健康相談を個別に受けるための場所の提供を御願いしました。

村長や村の世話役の人たちは、「もともとこの村の寄り合い所は、スダマさん(私の主人)が建てた建物で、村に寄付をされました。ここを使うのに許可など必要ないでしょう。それに、村の女性や子供達の健康のためのプロジェクトだから、誰も反対しないでしょう。」とおっしゃいました。

(現在、村の寄り合い所として使用されている建物は、スーリヤ校が今の場所に引っ越す前まで、学校として使っていた建物です。引っ越す時に村に寄贈しました。そして、それから数年、政府の学校として使用されたり、クリニックとして使用されていました。)

村長たちの了解も得て、正式にその場所でプロジェクトを継続することに決まりました。

そして、村長たちからの提案により、プロジェクト推進のためのコミッティメンバーを10名(男性5名、女性5名)、村人の中から選出することになりました。

メンバーを決めるのは村人です。

そして、そのメンバーが、プロジェクトのお手伝いをするソーシャルワーカーを選ぶことになりました。

村人たちに質問して、彼らがどんな問題を抱えているのか問いました。答えるのは男性ばかりで、女性たちはサリーを口元に当て、恥ずかしがるばかりでした。

女性たちには、これから個別に話しを聞いていこうと思っています。

レイカ先生が、「村の男性はお酒を飲んで、奥さんに暴力をふるう人がよくいます。女性はデビ(ヒンディ語で女神。結婚した女性をデビと呼ぶのはビハール州の習慣)なのだから、大切にしないといけませんよ。」と発言すると、村長が、
「確かに女性はデビ(女神)だ。女神の中でもカーリーだと思う。最近の女性は強い人もいて、旦那さんをボコボコにする人もいる。」と言うので、みんな、大爆笑してしまいました!

村長さんの奥さんはカーリーみたいに強いのかも知れません、、、!

最後にアンガーンワリ(政府から委託を受けた母子の健康のための施策を担当する女性)と話をしました。

「村の女性たちに、政府が提供しているサービスや、健康についての注意など、さんざん説明してきたけれど、物資を配る時だけ集まるだけで、実際に真剣に話を聞いてくれる人がほとんどいない。」と言っていました。

「私達はそんなあなたの仕事のお手伝いがしたいのです。私達が協力しますよ!」と言うと、彼女の顔がぱっと明るくなりました。

ビハール州政府は様々な施策を提供しています。しかし、人々はまだそれについての知識が少ないのです。

村長や世話役たちが協力をしてくれることになったので、これからさらに具体的にプロジェクトを推進できます。

実りの多いミーティングでした。



日本語特別授業(音楽)(2013年2月2日)



日本語特別授業 音楽の時間

今日は、「上を向いて歩こう」と、「翼をください」の歌詞を教材として日本語を勉強しました。

最初に、「1月26日、私は「上を向いて歩こう」という歌を歌いました。」と私は日本語で生徒たちに話しかけました。

すると、すると、すぐに理解した生徒たちがヒンディ語に訳してくれました。

サンディープ君は「上を向いて歩こう」を予習してきて、私がある程度言葉の意味や漢字の説明をしたら、「先生!文法を教えてください。泣きながら、はどういう意味ですか。」と質問してきました。さすがです。

例文を出しながら説明しました。

そして、「翼をください」の歌詞を学習しました。歌を歌ってから、歌詞に出てくる漢字を絵に描いたり、パーツに分解したり、覚えやすいように説明しました。

最後にみんなで合唱しました。

次回の授業はどの教科がいいですか、と聞くと、「科学!」と日本語でリクエストが、、、!やっぱりサンディープ君です。

彼の日本語学習への情熱についていけるよう、私も頑張りたいと思います、、、!

いつか日本への留学を目指して、少しずつですが、一歩一歩、日本語に親しんで楽しく学んでもらいたいと思っています。