2013年3月8日、NGOチルドレンエイドの母子保健プロジェクトに参加する村のソーシャルワーカー2名(女性と男性)の研修のため、訪問クリニックに見学に行って来ました。
(訪問クリニックとは、病院などがない地域に医師や薬剤師が出向いて診察を行うことです。見学は、訪問クリニックの活動の実績があるブッダガヤのNGOルート・インスティテュート(サクセナ・クリニック)にご協力いただきました。)
今回見学に行った村は、ブッダガヤから車で一時間ほどのバンケーバザールという地域の村です。もう少し先へ行くと隣の州、ジャルカンド州になります。この地域はマオイスト系ゲリラの活動地帯として有名です。今回行った村は、大きな道路沿いだから比較的安全だということで、外国人の私達も同行させていただきました。
その訪問した村のクリニックを開催した建物は、政府の学校でした。NGOスタッフの方が、「ここは一ヶ月前くらいから使っています。それまでは、手前の道路沿いの建物でクリニックを開いていました。ところが、数ヶ月前に、その建物が爆弾で爆破され、こちらに場所を移したんです。」と説明されました。
ここ数年、ビハール州はとても平和になり、この地域もだいぶ落ち着いてきたのかと思っていましたが、やはりまだまだ危険なのだと思いました。
ビハール州政府はゲリラ掃討作戦をして、数年前からすごく平和になっていたのです。しかし、州のボーダーの辺りは、隣の州への移動が簡単であることと、人があまり住んでいないジャングルが多いため、ゲリラが潜伏しやすいのです。
訪問クリニックに人が集まると、NGOスタッフが病気や衛生についての説明を始めます。この訪問クリニックには老若男女様々な人が患者としてやって来ます。私達のプロジェクトは、新生児と母親の健康について重点を置いています。私達も新生児とその母親達の健康向上のため、病気や衛生についての教育をしています。先日村のリーダー達から選ばれたソーシャルワーカーの二人に、その説明の状況を見てもらい、実際の現場を見て勉強してもらおうというのが、今回の見学の主旨です。
今回のテーマは「蚊を媒介して感染する病気の予防について」でした。その中で特にマラリアの症状についての説明があり、家族がそういう症状になれば、すぐ政府の病院に連れて行き、検査をして適切な薬をもらうこと、と説明されました。予防については、蚊に刺されないこと、刺されないためにはどうしたらいいか、村人たちに問いかけました。そして、寝るときに蚊帳を使うこと、家の周りの水溜りにケロシン油を少量混ぜると、その水溜りで蚊が繁殖できなくなること、殺虫効果のあるニームの葉を燃やして煙をたくと蚊が死んでしまうこと、など説明されました。
毎回感心するのですが、あまり電気もお金もない村人たちの、身近にある物を使う予防の方法を説明されるので、それがすごく勉強になります。
ソーシャルワーカー見習いの二人も、真剣に話を聞いていました。後で感想を聞いてみると、女性のほうは実際ケロシン油を掃除の際に水に混ぜたりしているそうで、しっかりしているなと思いました。これからいろいろ勉強してもらえそうです。
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