ブッダガヤ母子保健プロジェクト
2月2日 オウラ村
オウラ村で今回話題になったのは、「年子と避妊方法」、そして「産後のお腹引き締め」、それから「3ヶ月間体重・身長の増加が見られない赤ちゃん」です。そして「村の保育所」についてです。
「年子と避妊方法」
生まれて一ヶ月の赤ちゃんを連れて来たお母さんに、何人お子さんがいるか尋ねると、この赤ちゃんが4人目だと言いました。子供達の年齢を聞くと、4歳、3歳、1歳、0歳でした。ほぼ毎年出産しています。特に今回は一年の間に2回出産したのだそうです。
レイカ先生が「避妊はしないのですか?毎年出産していたら、体が弱りますよ。Tコッパーをつけたらどうですか?」と言いました。
お母さんは何のことか意味がわからないのか、ただ黙っています。
「コンドームは使わないのですか?」と聞くと、レイカ先生は「村の男性は誰も使いません。」と言いました。
卵管結紮手術を政府は推奨していますが、術後からずっと出血が止まらなかったり、体調を崩している人も少なくありません。男性のほうが手術が簡単なので、ご主人に手術をしてもらったらどうかと聞いたところ、女性のほうからはそれは言えないということでした。
それから、子供4人はみんな女の子です。男の子が生まれるまでは生み続けなくてはならないそうです。毎年だとお母さんの体が回復する暇がないし、育児も大変です。せめて2年から3年は間を空けるよう、アドバイスしました。
「産後のお腹引き締め」
一才くらいの赤ちゃんを抱っこしたお母さんに、レイカ先生が「妊娠中ですか?」と質問しました。確かに大きいお腹をしています。
「いいえ。出産して1年経ちますがお腹がそのままです。」とお母さんは答えました。
「帝王切開でしたか?」と私が質問すると、やはりそうでした。私のインドの知り合いは帝王切開の後、ずっとお腹が大きいままの人がよくいます。レイカ先生が「ベルトはしないのですか?」と聞きました。インドの田舎にも腹帯があるのか、と驚きました。これまで私は、腹帯を妊娠中も産後もつけている人をインドで見たことがありませんでした。売っているのも見たことがありません。
「3ヶ月間体重・身長の変化が見られない赤ちゃん」
1歳くらいの赤ちゃんですが、ちょっと手足が細いので、これまでの記録を見てみました。すると、過去3ヶ月間、体重と身長が変わっていません。クリニックでの診察をお勧めしました。
このプロジェクトは、こういう赤ちゃんを発見し、健康状態を向上させるのが目的です。毎月の記録を通して、赤ちゃんの健康状態のことをお母さんたちに気づいてもらうのが目的です。
「村の保育所」
もう片付けて帰ろうか、という頃、大きな声が聞こえました。アンガンワリ(村の母子のための政府の世話人)が誰か女性に怒られていました。私は私達の活動に対して文句を言って来るのかな、と思い、すぐに飛んで行ってその女性と話しをしました。
その女性はアンガンワリの仕事のチェックをしている役場の調査官でした。私達のプロジェクトの活動について説明すると、「それはいいです。でも、このアンガンワリは全然仕事をしていないんです。」とおっしゃいました。
それからレイカ先生たちと一緒にお話しを伺いました。
その方の説明によると、アンガンワリの仕事は月曜日から土曜日まで、10時から2時まで、0歳から6歳までの乳幼児をセンターで預かり、簡単な学習をさせ、おやつやお昼ご飯を提供するのが仕事だ、ということでした。
他にはワクチン接種の時期に村中の親子に呼びかけることも仕事です。
私達がプロジェクトの仕事を始めるとビスケットと石鹸を配布するのでたくさんの親子が集まります。ところが、普段、アンガンワリのセンターには5、6名ほどの子供しか来ないそうです。
毎月月末にはその月の子供の誕生日会をするはずが、このセンターではかつて行われたことがないそうです。誕生日会をするのは、親子共に誕生日を記録すること、覚えていることの大切さを理解してもらうためだそうです。
その調査官は、アンガンワリのアシスタントの女性について、「アンガンワリがいてもいなくても、いつもちゃんと掃除したり子供達にご飯を食べさせてくれている。とてもしっかり仕事をしている。」と誉めていらっしゃいました。実は、それは私達も毎回感じていたことでした。
色々お話しをして、私達のプロジェクトはアンガンワリのお手伝いを兼ねているので、今後、アンガンワリのセンターの活動も、時々お手伝いさせていただくことになりました。
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