2013年4月13日土曜日

S君の結婚について

すごく勉強熱心で将来を期待していたS君。先日、両親が結婚をさせようとしているとS君から相談を受けました。

今日はS君の両親を説得するため、教師3名と、S君の自宅を訪問しました。ところが、両親共不在の様子。近所の人たちとS君の結婚の話になりました。ご近所さんたちがおっしゃるには、この両親を説得するのは無理だ、ということでした。

自分自身の考えとしては、結婚するのなら、進学支援を打ち切ろうと思っています。
結婚するということはお嫁さんの生活の面倒を見る、ということであり、その責任が生じます。S君のことは期待していたから残念だしつらいけれど、けじめはつけないといけません。

両親がなかなか帰って来ないので、両親を探してバザール(店が多い場所)に行きました。すると、S君の両親は結婚式の準備の買い物をしていました。(ヤギを売って、お金に換えたそうです。)

S君のお母さんは、「結婚式に来てください。私は年を取っていつ死ぬかわからないけど、嫁が来たら安心です。毎日、料理をするのが大変だった。これからは嫁が料理をしてくれる。」と言います。

「結婚したら、嫁が家にいて私たちの面倒を見てくれるから、Sをどこにでも連れて行って思う存分勉強させてください。」と泣きながら話します。

私は思い切って、自分の考えを伝えました。「結婚するということは、その分、稼がないといけないということ。勉強よりも、そちらのほうが大事。結婚するなら、就職して、家族を食べさせて、残ったお金を学費にすればいい。結婚するなら進学の支援は打ち切ります。その代わり、就職してもらいます。」と。

すると、お母さんは驚いた様子で、まさか、支援を打ち切られるとは思っていなかったようで、もっと泣き始めました。

「S君、本人の気持ちはどうなの?」と聞くと、「自分は結婚したくない。もっと勉強したい。だけど、親が聞いてくれない。」と言います。

確かに、S君はだいぶ年を取ってから出来た子供で、ご両親は高齢です。本当に体調も悪そうで、なんだか、しょうがないかな、という気がしてきます。

「相手は何歳?S君は相手のこと気に入ったの?」と質問すると、「わからない。まだ会ったこともない。写真もない。」ということでした。

しかし、もう結婚の約束によってお嫁さん側からノートパソコンをプレゼントされていました。S君はノートパソコンの誘惑に勝てなかったようです。ノートパソコンが手に入れば、もっと勉強出来る、と思っていたようです。友人たちとの会話などを聞いていると、S君はうれしそうな様子です。

S君は推定18歳。日本では結婚出来る年齢ですが、インドの法律では男子は21歳以上でないと結婚出来ません。

田舎の習慣はいつになったら無くなるのでしょうか、、、。

S君の結婚式は来月です。





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